ベトナム・ハノイにおける即戦力IT人材育成 のための教育環境強化事業

地方自治体、地域経済団体、大学、企業及びNGO等が有する技術・経験を活用してこれらの機関が開発途上地域に貢献する

世界的なIT需要の高まりの中、現在ベトナムIT産業はオフショア需要を背景に急激な成長を続けています。 そのような中、即戦力となるIT技術者の育成に向けた教育体制の構築・強化を行い、オフショア以降も他産業・他分野と協働しながら新しいソリューションを創造していくよういなベトナムにおける次世代のIT産業を担う人材の育成に取り組んでいます。 

プロジェクト概要

2016年1月活動 即戦力IT技術者研修の実施

2016/1/11(月)~1/23(土)の間、第3回目となる即戦力IT技術者研修を実施しました。

今回はWeb Service開発3日、Androidアプリケーション開発を行うMobile Application開発3日、および、その2つの技術分野のインテグレーション2日、組込開発研修2日、および、その2つの技術分野のインテグレーション2日の合計12日間で、今回も指導者育成研修受講者がメイン講師で行いました。

今回は、参加者の多様性、参加しやすさを考慮して、Web Service は必須、Mobile Applicationと組込分野は選択式として実施しました。選択方法によって、8日間、9日間、12日間の3通りの参加方法が可能としました。

参加者24名のうち、8割が全日程の12日、1割程度づつが選択コースで参加しました。日常業務に忙殺されがちなIT技術者にとって参加しやすい方策を検討していくことも重要となってきていますが、全日程の選択者が思いのほか多くおりました。

2015年11月活動 若年層研修(Entry Level Training)の実施

2015年11月23日から28日の5日間、タンロン大学において、25名の学生を対象としたWebサービス、組込、および、その連携を行う若年層研修を実施しました。これまで同様、ベトナム人指導者を中心とした指導のもと、限られた時間で2つの技術分野の学習と、その連携実装を行うことで、実際のモノづくりを体験してもらうことを主眼においています。

IT技術者研修と違い、学生対象の研修の場合、知識や経験が浅い分、授業の進行は遅くなりますが、逆に新しい経験を楽しんでいる風潮が強く感じられ、教えているほうも新鮮な喜びがあります。

特に組込の場合、「理論的に正しくても物理世界のものは動かないことがある」難しさ、それをクリアして、「自分で書いたプログラム」で「自分の組んだ回路」のLEDやモーターを動かすことができた喜びなどは、従来のソフトウェアだけの世界では感じられない醍醐味でもあります。当事業の組込カリキュラムはこのあたりがうまく作用しているようで、受講後のレビューでも人気のものとなっています。

IMG_0840 (1)

2015年10月活動 即戦力IT技術者研修の実施

2015/10/17(土)~10/23(金)の間、第2回目となる即戦力IT技術者研修を実施しました。

今回はWeb Service開発3日、Androidアプリケーション開発を行うMobile Application開発2日、および、その2つの技術分野のインテグレーション2日、合計7日間という内容で、指導者育成研修受講者がメイン講師で行いました。

指導者育成研修受講者の実践の場という意味合いもあり、3技術分野中2分野ずつ開催していますが、事業趣旨としては3つの技術分野を横断的に学習することを推奨しています。そのため、前回のWeb Service + 組込開発研修の受講者が今回の研修を受講する場合、重複するWeb Serviceは免除となり、Mobile Applicationのみの参加も可としたところ、3人が再度の受講となりました。この事業の目的は教育環境基盤の強化であり、継続的に教育を実施していくことを考えると、日常業務に忙殺されがちなIT技術者にとって参加しやすい方策を検討していくことも重要となってきそうです。

photo 2

Japan ICT 2015

2015年10月15日、ホーチミン市で開催されたJapan ICT Dayに参加してきました。このカンファレンスは日越IT産業における連携を強化する目的で毎年開催されており、両国の企業・組織が参加します。参加意図としては、

  • 当事業の重要な側面である「国際連携を通じた両地域の経済活性化」があり、両国関係の現状と課題を把握したうえで、事業活動に反映していくこと
  • 持続的な人材育成の重要性とその取り組みを参加各者に伝えていくこと

です。

昨年に引き続いての参加でしたが、単なる「こうしたいね、ああしたいね」以上に、連携に向けて一層踏み込んだ議論が展開されました。特に円滑な国際産業連携を行っていくうえでの日本側の姿勢の在り方、変化の必要性について日本側参加者からの発言があったことは大きな変化だと感じられました。

当NPOの代表理事である山本強 北海道大学教授はIoT技術活用を通じたパラダイムシフト、その実現に向けた取り組みなどについて講演とパネルディスカッションに参加しました。また、地域経済活性化の模索のために札幌市職員も同行し、カンファレンス、および、その後の進出企業へのヒアリングも行いました。

2015年9月活動 即戦力IT技術者研修の実施

2015/9/19(土)~9/25(金)の間、即戦力IT技術者研修を実施しました。

今回はWeb Service開発3日、Raspberry Piを使った組込開発2日、および、その2つの技術分野のインテグレーション2日、合計7日間という内容です。

メイン講師は前回の若年層研修と同様、指導者育成研修受講者が務めることで指導実習も兼ね合わせての実施となりました。

この研修を行うにあたり、多忙な現地IT企業からどの程度の受講者を集められるか危惧しておりましたが、前回のショートテクノロジーセミナーで告知をしたところ、こちらの想定以上に申し込みがあり、合計23名での実施となりました。

実務経験2、3年程度の若いエンジニアが多く、教える内容は知らなかったことが多く含まれ、レベル設定や指導内容は適切だったと思います。また現役のエンジニアだけあって問題に直したときにすぐに講師に聞くのではなく、自分たちの力で解決しようとWebを使って調べたり、説明を受けたあと、自分たちなりに試行錯誤する姿が見受けられました。逆に指導する側としては単に事前に用意された回答を一意の正解として押し付けるのではなく、それぞれにやり方の良し悪しを説明したり、各自のやり方における正解へ導く必要があり、一層指導力や指導する側の経験が求められることになりました。

途中、2名1組でのチームで開発を進めたこともあり、予定通り研修を終了することができました(若年層研修でもそうだったのですが、自発的にチームを構成させると、面白いことに同じ組織から参加している人がいても、積極的に知らない人と一緒に組むケースが多く、それでもうまくタスクを分割して取り組んでいます)。初回の技術者向け研修ということもあり、実施しながら新しい発見も多く、今後継続的に開催しながら現地指導者達と一緒に改善を続けていくつもりです。

IMG_20150925_152037

今回は研修成果を受講者の一人に説明してもらいましたので、動画も公開いたします。彼のチームはWebサービスとセンサーデバイスの連携だけではなく、Androidアプリケーションからセンサーデバイスを制御するところまでを自主的に拡張実装することができました。

株式会社ネクステック(札幌)とベトナム国家大学ハノイ校-工業技術大学 FIMO センター間における共同研究実施について

このたび、株式会社ネクステック(札幌)とベトナム国家大学ハノイ校-工業技術大学 FIMO センター(ベトナム・ハノイ)の間で共同研究を実施していく運びとなりました。

FIMOは環境変動による影響を受けやすいベトナムにおいて、その情報収集や対処法についての研究を行う学部を横断した学術研究機関であり、当事業にも若手研修生の技術力強化をめざし、研修員指導者研修から参加していました。そのような関係から、現在のFIMOの取り組みや、その課題などをヒアリングした結果、札幌ITフロントが札幌IT企業、ネクステック社へ協力を打診、快諾いただき、今回の共同研究の実現に至った次第です。

この共同研究において、ネクステック社はFIMOの目指す環境モニタリングのための屋外無線センサーネットワーク構築への技術協力、および、ネクステック社の製品、Poggimoを無償貸与することとなりました。

このように札幌のIT企業が持つ技術を海外での問題解決に役立てていくような取り組みは、当事業の趣旨である地域経済に大きく寄与できるものと信じ、また札幌IT産業による国際協力の1つの在り方として具現化できたことに大きな喜びを感じております。当事業自体は、IT教育基盤の強化が主たる目標ではありますが、今後も機会があれば、このような取り組みを推進していく所存であります。

最後に当事業にご協力いただき、また、今回の共同研究への打診を快く引き受けていただいた株式会社ネクステックに心より感謝を申し上げます。

IMG_20150817_180116

ショート技術セミナー2015年8月開催

先述の若年層研修と合わせ、8月17日に札幌の株式会社ネクステックから2名をハノイへ招聘し、ショート技術セミナーを開催してまいりました。

ショート技術セミナーは、札幌のIT産業界で活躍する技術者を講師として実施し、現地の技術者へ技術指導を行うことにより、より現場レベルでの交流を推進する目的のものです。

今回は朝9時より、VINASA理事/当プロジェクトワークグループ代表であるハイ氏の挨拶を皮切りに、9月実施予定の技術者研修のプロモーションを兼ねたIT教育マネージメント層向け人材育成セミナーも合わせて行いました。その後ネクステック社大石社長によるアウトドア無線ネットワークの将来展望についてのセミナー、お昼休みを挟んで、技術者、大学生を対象にした、ネクステック社技術者のAnh氏によるIoTネットワークワークショップを実施しました。

午後のワークショップでは、一通りの学生・社会人エンジニアを交えたグループを作り、テーマに沿ったグループディスカッションを行い、その後成果を発表しました。PCなどは使用せず、紙と鉛筆を使うという、なかなか新しい形でのセミナーでしたが、初顔合わせにもかかわらず、各グループの社会人エンジニアがうまく学生たちを取りまとめてディスカッションが進み活発に意見交換が行われていました。

余談ですが、セミナー終了後も参加した学生へネクステック社のお二人による熱心な技術指導も行われました。

このような形で実施することで受講者の積極的な参加を引き出せるという、新しい発見があったこともあり、今後の研修事業にも採用していこうと思います。

2015年8月活動 若年層研修(Entry Level Training)の実施

ベトナムの学期休みのタイミングで、ということで、2週間(全10日間)でハノイ市内の3つの大学(ハノイ国家大学、ハノイ工科大学、タンロン大学)の3~4学年の27名の学生に若年層研修(Entry Level Training)を実施しました。これまで札幌ITフロントから指導員を派遣してきて行ってきた研修事業ですが、事業期間の半分を過ぎたこれからは将来的な自立化をめざし、指導員育成研修に参加したベトナム人指導員が中心となり研修を実施していきます。

6月時点でベトナム人指導者が担当分野を決めたあと、実施内容の調整、教材の調整を行ってきました。内容は、

  • Webサービス開発 3日
  • 組込開発 2日
  • Androidアプリケーション開発 3日
  • 上記3技術分野を統合したIoTソリューション開発 2日

となっています。

受講者は3名1チームで課題に取り組み、長時間の講義にもかかわらず、集中して真剣に取り組んでいました。エントリー研修の目標である、「ハンズオンで一通りの分野を学んだあと、実際の開発に近い作業を体験し、視野を広げる」という点では非常に良い反応が得られました。

IMG_20150803_085234IMG_20150803_090441 IMG_20150803_102231

IMG_20150803_102238 IMG_20150805_095013 IMG_20150806_084353 IMG_20150806_150614 IMG_20150806_150701 IMG_20150806_150715 IMG_20150807_093535
IMG_20150807_132844 IMG_20150807_132908 IMG_20150807_132922 IMG_20150807_132929 IMG_20150807_132942 IMG_20150810_085433 IMG_20150812_150707 IMG_20150814_131839

2015年7月活動 国内研修実施

前回TOT研修で一通りの講師育成のための技術カリキュラムを終えたことを受けで、7月3日 - 7月12日までTOT研修参加者+ワークグループメンバーを対象とした道内研修を実施しました。

この受け入れ研修の目的は、

  • 講師育成教育の仕上げとして、他分野・他産業におけるIT技術の利活用を視察すること
  • ハノイ側メンバーを札幌に迎えたうえで、国際協力を通じた地域経済活性化の方法を検討すること

にありました。

視察先として、札幌を中心とした産学官連携の各拠点、即戦力人材育成に向けた技術教育に取り組む各種学術機関、また、現在のベトナムの課題である農業におけるICT利活用事例の道内の現場を回りましたが、来道メンバーは各自異なるバックグランドを持っているますが、どの場所でも積極的に質問を行い、その後議論するなど、とても参考になった様子でした。

また、7月9日は朝の札幌市長の表敬訪問の後、先日告知した「日本-ベトナムIT産業連携セミナー」も実施しました。会場の都合十分な議論の時間がない中、今後両地域の関わりとして

  • 両地域IT産業間における共同R&Dの実施
  • IT産業にかかわらずに人材交流の推進

など、具体的な案が打ち出されました。当組織としては今後これらの可能性を模索し、両地域の活性化の繋げていく所存です。

札幌市ホームページ:札幌市長表敬訪問